平成24年度 鶴岡協立病院 高齢者・認知症ケア推進委員会発足記念講演会



鶴岡協立病院 高齢者・認知症ケア推進委員会発足記念講演会

12/20 更新しました!

日 時: 平成24年12月14日(金) 19:00~20:30
会 場: にこ❤ふる 3階 大会議室
参加者: 140名(地域の医療・福祉・介護関係者)
主 催: 鶴岡協立病院
テーマ: 「高齢者医療・認知症ケアに光をあてよう!!」
 講 師 : 医療法人社団慶成会 青梅慶友病院
       看護介護開発室長/老人看護専門看護師 桑田美代子 先生

講演メモ…

 医療現場では多くの場合、病気や異常を発見しそれを健康・正常に戻すこと、命を少しでも先延ばしにすることが重要とされているが、高齢者にとって、時に医療行為は苦痛である。苦痛に満ちたみじめな長生きよりも、穏やかで尊厳に満ちた一日の実現が大切であり、豊かな一日の実現をサポートすることこそが重要である。青梅慶友病院では、チューブや管や器具等は極力減らし、内服薬等も少なくし、検査の苦痛は最少に、見返りの少ない医療は極力避けている。ただし、治る可能性の大きい場合には、他の病院への一時転院なども含めた積極的な取り組みをしている。

青梅慶友病院が考える大往生

  1. 自分の能力を使いきり、周囲の人にも覚悟ができること
  2. 家族をはじめ周囲に惜しまれて、見送られること
  3. 最期が穏やかで静かであること。少なくとも惨めな姿でないこと
    <具体的な取り組み>
    • 便秘対策プロジェクト
    • 五感で楽しむ食事の援助
    • 拘縮予防対策
  4. 見送ったあと、関わったすべての人々に"良い余韻"があること

 高齢者(医療)ケア・認知症ケアでは、ケアするスタッフ(医師も含めて)が意識を変える必要であり、本人・家族の発する様々なサインを、係る全スタッフがキャッチできるよう、アンテナの感度を磨くことが重要である。全介助状態の高齢者(認知症)であっても「人格を持った意思のある人」であることを念頭におき、生活、身体状態、精神(心理)状態のバランスを看ていかなければならない。また、「~できない」の視点ではなく、「これもできる、あれもできる」というような"可能性"の視点を観る目を養い、個性に配慮したケアを行うことが大切である。